








東北
東北地方は、日本の本州の北部に位置する広大なエリアで、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県の6県からなります。豊かな自然、歴史と伝統文化、美味しい食べ物、そして情熱的なお祭りなど、多様な魅力を持つ地域です。東北地方は北海道に次いで広く、魅力的なスポットが点在しています。一つの旅行で全てを回るのは難しいため、興味のあるエリアやテーマ(温泉、歴史、自然、お祭りなど)を絞って計画するのがおすすめです。
東北の四季折々の魅力
東北地方は四季の移り変わりがはっきりしており、それぞれの季節に異なる魅力があります。いつ訪れても素晴らしい体験ができるでしょう。
春(3月~5月)
東北の春といえば、なんといっても桜です。本州の他の地域より遅れて咲き始めるため、長くお花見を楽しめます。特に弘前公園(青森)、角館(秋田)、北上展勝地(岩手)は「みちのく三大桜名所」と呼ばれ、壮大なスケールで桜が咲き誇ります。お城や武家屋敷と桜の組み合わせは絵のように美しいです。 冬の雪が溶け始め、山々には新緑が芽吹きます。


見どころ・アクティビティ
桜の名所
東北には日本有数の桜の名所が多くあります。
・弘前公園(青森県)
日本三大桜名所の一つで、約2,600本の桜が咲き誇ります。
・白石川堤一目千本桜(宮城県)
川沿いに続く桜並木と蔵王連峰のコラボレーションが絶景です。
田植え体験
春は農作業が始まる時期で、特に米どころとして知られる東北では田植え体験が人気です。
温泉巡り
雪解け後の澄んだ空気の中で、温泉地でのんびり過ごすのもおすすめです。
海鮮グルメ
三陸海岸(岩手県・宮城県)では新鮮な海の幸が堪能できます。ウニ、ホタテ、イカなどが特におすすめです。
夏(6月~8月)
熱気あふれる夏祭り: 東北の夏は、日本を代表するお祭りの季節です。青森ねぶた祭、秋田竿燈まつり、仙台七夕まつりは「東北三大祭り」として有名で、多くの観光客で賑わいます。山形花笠まつりや盛岡さんさ踊りなど、各県・各市町村で個性豊かなお祭りが開催され、地域全体が活気に包まれます。 夏は山や湖、渓流の緑が最も鮮やかになる季節です。奥入瀬渓流の散策や、十和田湖、田沢湖などでのアクティビティが楽しめます。


見どころ・アクティビティ
夏祭り
・青森ねぶた祭(青森県)
大型のねぶた灯籠が街中を練り歩く、日本三大祭りの一つ。
・秋田竿燈まつり(秋田県)
病魔退散を祈る伝統的なお祭りで、長い竿燈を高く掲げるパフォーマンスが見ものです。
・仙台七夕まつり(宮城県)
色とりどりの装飾が街を彩る幻想的な祭り。
避暑地
・蔵王(山形県)
高原リゾート地として人気があり、涼しい気候と美しい自然が楽しめます。
・十和田湖(青森県・秋田県)
日本有数のカルデラ湖で、周囲のトレッキングコースも充実しています。
花火大会
東北の夏には大規模な花火大会が各地で行われます。
・大曲の花火(秋田県)
日本三大花火大会の一つで、圧巻の打ち上げ花火が楽しめます。
海鮮グルメ
三陸海岸(岩手県・宮城県)では新鮮な海の幸が堪能できます。ウニ、ホタテ、イカなどが特におすすめです。
秋(9月~11月)
東北の秋は、山々や渓谷が赤や黄色に染まる紅葉の季節です。奥入瀬渓流(青森・秋田)、鳴子峡(宮城)、蔵王(山形・宮城)など、日本有数の紅葉名所が多くあり、息をのむほど美しい景色が広がります。東北は米どころであり、果物も豊富です。新米や、りんご、ぶどう、梨などの旬の味覚を存分に楽しめます。山形名物の「いも煮」など、秋ならではの郷土料理も味わえます。比較的穏やかで過ごしやすい気候のため、ゆっくりと景色や味覚を楽しむのに最適なシーズンです。


見どころ・アクティビティ
紅葉スポット
・鳴子峡(宮城県)
日本屈指の紅葉スポットで、峡谷と紅葉のコントラストが絶景です。
・蔵王エコーライン(山形県)
山頂付近の紅葉は「天空の紅葉」として人気です。
・角館(秋田県)
武家屋敷と紅葉の調和が美しい町並みです。
収穫祭
米やリンゴ、柿などの収穫祭が各地で開催され、新鮮な食材を使った料理が楽しめます。
温泉と紅葉
紅葉を見ながら温泉に入る贅沢な時間を過ごせます。
・乳頭温泉郷(秋田県)
秘湯と呼ばれる温泉地で、秋の紅葉との組み合わせが最高です。
伝統工芸体験
角館の漆器や南部鉄器(岩手県)、福島の会津塗りなど、秋の旅行中に伝統工芸を体験するのも楽しいです。
冬(12月~3月)
良質な雪が降り積もり、スキーやスノーボードといったウィンタースポーツが盛んです。蔵王や安比高原(岩手)など、人気のスキーリゾートがあります。雪景色と温泉: 雪見露天風呂は冬の東北ならではの醍醐味です。乳頭温泉郷(秋田)など、秘湯の雰囲気を持つ温泉地も多くあります。冬の絶景とイベント: 蔵王の樹氷(スノーモンスター)は冬にしか見られない自然のアートです。横手のかまくら(秋田)など、雪を活かした伝統的なイベントも各地で開催されます。冬は海の幸も美味しくなる季節です。カニやあんこう鍋など、温かい鍋料理もおすすめです。このように、東北は一年を通して異なる魅力が溢れています。訪れたい場所や体験したいことに合わせて、お好みの季節を選んでみてください。


見どころ・アクティビティ
雪まつり
・横手のかまくら(秋田県)
小さなかまくらの中でお供え物を食べる伝統的な祭り。
・銀山温泉(山形県)
雪に覆われた温泉街が幻想的で、ロマンチックな雰囲気が楽しめます。
ウィンタースポーツ
・蔵王温泉スキー場(山形県)
「樹氷」が有名で、スキー・スノーボードを楽しみながら幻想的な景色を味わえます。
・安比高原(岩手県)
広大なゲレンデで初心者から上級者まで楽しめるスキーリゾートです。
温泉巡り
冬の冷たい空気の中、露天風呂に入るのは格別の体験です。
・酸ヶ湯温泉(青森県)
大混浴露天風呂が特徴で、冬の雪景色の中で癒しの時間を過ごせます。
冬のグルメ
東北の冬は鍋料理や漬物、そして地酒が美味しくいただけます。特に「いも煮(山形県)」や「きりたんぽ鍋(秋田県)」は冬の定番料理です。
東北の人気観光地
三内丸山遺跡






青森県
青森県は本州の最北端に位置し、豊かな自然、特色ある文化、そして美味しい食べ物が魅力的な県です。特に夏の祭りや春の桜、秋の紅葉、冬の雪景色など、四季折々の美しい景色が楽しめます。日本の「北」ならではの自然の雄大さと、地域に根付いた文化、そして美味しい恵みが魅力です。
青森市にある縄文時代の大規模集落跡で、日本最大級の規模を誇る集落跡です。2021年には「北海道・北東北の縄文遺跡群」の一部として世界文化遺産にも登録されました。
弘前
弘前は江戸時代から津軽氏の城下町として栄え、今も弘前城を中心に、武家屋敷や古い町並みが残っています。桜の名所や夏祭り、そして美味しいりんごで知られる観光地です。
蔦沼
青森県の十和田湖・奥入瀬渓流エリアにあり、秋に水面に映る燃えるような紅葉の景色が有名です。湖面が鏡のように赤やオレンジに染まった木々を映し出す光景は格別で、多くの写真家や観光客を惹きつけます。
浄土ヶ浜






岩手県
岩手県は、東北地方で最も広く、雄大な自然、歴史、伝統文化、そして多様な「麺文化」をはじめとする美味しい食べ物が魅力の県です。岩手県には多くの魅力的な場所がありますが、特に人気が高く、地域を代表する観光地をいくつかご紹介します。
白い流紋岩の岩々と、それに囲まれた穏やかで透明度の高い青い海、そして白い小石の浜が特徴的な海岸です。国の名勝に指定されており、三陸復興国立公園の一部にもなっています。
龍泉洞
日本を代表する鍾乳洞の一つです。透明度の高い地底湖が非常に美しく、「ドラゴンブルー」とも称されるその水の色は必見です。地底に広がる別世界のようで、自然の神秘を感じることができます。
八幡平ドラゴンアイ
岩手県と秋田県の県境にある八幡平山頂付近の鏡沼(かがみぬま)で見られる、非常にユニークで神秘的な自然現象です。雪解けの時期の、限られた期間だけ見られる「幻の絶景」として知られています。






宮城県
宮城県は東北地方の中央に位置し、自然、歴史、食、温泉と多様な魅力を持つ県です。特に県庁所在地の仙台市は東北最大の都市で、東北観光の玄関口となることが多いです。
円いカルデラ湖(火口湖)で、蔵王連峰のほぼ中央にあり、太陽の光の当たり方や見る角度によって、エメラルドグリーンやコバルトブルーなど、湖水の色が様々に変化するのが最大の特徴です。
一目千本桜
宮城県柴田郡大河原町(おおがわらまち)と柴田町(しばたまち)にまたがる、東北地方を代表する桜の名所です。白石川の堤防沿いに、約8kmにわたって約1,200本もの桜が植えられている壮大な桜並木です。
松島
宮城県の太平洋沿岸に位置し、日本三景の一つに数えられる美しい場所です。大小260あまりの島々が湾内に浮かぶ景色は、古くから多くの人々を魅了してきました。歴史的な寺社仏閣も多く、景観と歴史、文化を同時に楽しめます。
蔵王のお釜






秋田県
秋田県は、東北地方の日本海側に位置し、素朴で温かい人々、豊かな自然、伝統文化、そして美味しい食で知られる魅力的な県です。秋田県には多くの魅力的な場所がありますが、特に人気が高く、地域を代表する観光地をいくつかご紹介します。
角館は「みちのくの小京都」と呼ばれ、特に武家屋敷の街並みと四季折々の自然が美しい場所です。江戸時代に栄えた城下町で、特に「武家屋敷通り」には、当時のままの武家屋敷が数多く残されています。
田沢湖
田沢湖は、水深が423.4mで、日本で最も深い湖です。その深さゆえに、冬でも凍ることがありません。湖面の色は非常に透明度が高く、時間帯や天気によってコバルトブルーやエメラルドグリーンに変化します。
乳頭温泉郷
乳頭温泉郷は、十和田・八幡平国立公園内の乳頭山麓に点在する七つの温泉宿の集まりで、それぞれ独自の源泉を持つ七つの宿があり、その湯めぐりは万病に効くといわれています。
角館






山形県
山形県は東北地方の南西部に位置し、豊かな自然、温泉、美味しいフルーツや郷土料理、そして歴史と文化が息づく魅力的な県です。旬のフルーツや芋煮など、地元の味覚を楽しむのも山形観光の重要な要素です。訪れる時期によって見どころが大きく変わるので、目的に合わせて季節を選ぶのがおすすめです。
強酸性の硫黄泉で知られる温泉地です。「美肌の湯」とも言われます。冬は東北最大級のスキーリゾートとして賑わい、特に樹氷(スノーモンスター)は必見です。
山寺
山形市にあり、奇岩が連なる山全体がお寺の境内となっている場所です。千段以上の石段を登りきると、山頂の五大堂から見下ろす景色は絶景です。
銀山温泉
大正時代に建てられた木造の温泉旅館が川の両岸に立ち並ぶ、レトロで情緒あふれる温泉街です。特に雪が降る冬の夜は、ガス灯の明かりと相まって幻想的な雰囲気に包まれます。
蔵王温泉






福島県
福島県は東北地方の最南端に位置し、中通り(なかどおり)、会津(あいづ)、浜通り(はまどおり)という個性豊かな三つの地域からなる広大な県です。それぞれの地域に独自の魅力があり、歴史、自然、食と多様な体験ができる場所です。
江戸時代の宿場町の街並みがそのまま残されている、大変人気の観光地です。茅葺き屋根の家々が並ぶ様子は独特で、日本の原風景を感じさせます。四季折々の景色も美しく、特に冬の雪景色は格別です。
猪苗代湖
日本で4番目に広い湖です。その水の透明度が高く、周囲の景色を湖面に映し出すことから天鏡湖とも呼ばれています。磐梯山を背景にした湖の景色は、四季を通じて美しく、特に青空や紅葉の時期は格別です。
あぶくま洞
東洋一とも言われるほどの美しい鍾乳石が数多く見られる鍾乳洞です。約8,000万年という長い年月をかけて自然が作り出したもので、公開されている部分は約600mで、その通路沿いに様々な形や色の鍾乳石、石筍などが見られます。